デカルト「方法序説」より

「どこかの森に迷いこんだ旅人たちは、あちらへむかったり、こちらへむかったりして迷い歩くべきではなく、いわんや一つの場所にとどまっているべきでもなく、つねに同じ方向に、できるかぎりまっすぐに歩むべきであって、その方向を彼らに選ばせたものがはじめはたんなる偶然に過ぎなかったかもしれぬにしても、少々の理由ではその方向をかえるべきではないのである。というのは、こうすることによって、旅人たちは彼らの望むちょうどその場所には行けなくとも、少なくとも最後にはどこかにたどりつき、それはおそらく森のまん中よりはよい場所であろうからである。」