暴排条例とかお寺とか、昔の思い出も添えて

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暴排条例で首都ではさっそくあちこちでごちゃごちゃしてるようですが、任侠の方に頼まれて供養をして布施を頂戴した、昔から檀家でお寺に先祖の墓もある人がヤクザ屋さんになり、呼ばれて葬儀に行ったらずらっとあちらの方だった、などなどあちこちでちらほら聞く話。

伝統的な任侠の皆さんは概して坊さんを大事にするし、坊さんも一般の人よりもあまり任侠の方を怖がらない。お互い社会のアウトローだから気が合うのかしら。ともかく変な親和性があるような気がします。ついでにいえば水商売やいわゆる夜の世界のかたも、信心深いというか習慣的にお寺にお参りしたりお坊さんを大事にしたりする。仏事ごとでもこっちがわざわざ教えなくても作法をよくご存じ。

そういえば、むかしむかし某関東の有名温泉地で托鉢していたら、とある組事務所の前を通りかかりました。正直怖かったので早々に立ち去ろうとしたら二階の窓がガラっと開いて「オイッ、ちょっと待て!」さすがの私もあぁこれまでかと観念しました。すると事務所の玄関からいわゆる「若い衆」がひとり走ってきて、紙の札を数枚差し出し「ごくろうさんです」。私はいつものように読経し、礼をして帰りました。というかそれしかできませんでした。

まぁそれはそれとしても、お寺やお坊さんが習慣的にあちらの世界のかたと接点があるという以上に、お寺やお坊さんの世界にとっても暴排条例で案外ビミョーな案件が湧き出てくるんじゃないかと、ちょっと気になっております。とりわけ禅宗は一時期右翼や任侠と思想的にも社会的にも密接だった時代もあったし、件の芸人が京の丑寅経由でシャバに舞い戻ってくるなんて噂があったり。いや、噂ですよ。

信教の自由という大前提もあるので、個人的には宗教界は暴排宣言とか安易にするべきじゃないと思うけど、この調子でいくとどっかのタイミングで暴排宣言させられる状況になるんじゃないか。つまり「わけ隔てなく受け入れる」という宗教の大事な社会的機能が失われるというわけです。