うまいもの食べないとダメよ人間は。

26日が父方の祖母の命日なので墓参に福岡に行く。
そしてそのまま湯布院の親戚の家にお泊りである。

鹿児島から高速を運転して3時間。子供のころは5時間はかかっていたからはやいものである。
高速を走っているあいだ、助手席の父は寝ててもいいのにずっと起きている。どうやら平均130キロでぶっ飛ばしたので怖くて気になって寝れなかったらしい。年寄りには程よい緊張とはいかなかったか。

墓参と数箇所の縁者に挨拶し(むろんほとんど寺)、湯布院に向かう。当日はクリスマスイブということもありずいぶんなお持て成しを頂戴する。婿殿お手製のローストビーフを本場の柚子胡椒でぺろり。孫殿(高一)が趣味で焼いたショートケーキをぺろり。某シャンパンをゴクリ。なんだワインもあるのか。あけろ。

確実に体重が増加する。しかし生誕前夜なのだからサンタさんも目をつぶってくれることであろう(たぶん)。

男子厨房に入らずとはよくいったものではあるが、親戚一家にそのような箴言は無用。男女問わず、家人の全員がいかにうまい料理と酒を手に入れるかということに対して、尽きることのない探究心をもっておられるのだが、それはうまいディナーを提供しバーをも併設するこの旅館の経営思想にも如何なく発揮されておるのである。

バーではほんとお久しぶりのバーテンHさんにおまかせ。ではとHさんが進めてくれたのはマッカランの18年ビンテージをストレートで。決して高い酒をすすめてこようとしないのがHさんのいいところ。ただし酒の肴は、湯布院にも押し寄せる不景気の話と、わが一族の今後についていささか真面目な話。どこも大変である。

翌日は母方の祖母のところに顔を出す。久しぶりに鹿児島の孫が顔を出したというので大変に喜んでいただき、わずかながらの祖母孝行。御歳95歳で耳も遠いが意識も記憶もはっきりしている。たいしたもんである。

聞けば、最近はご飯うまいとか。おまけにホームで出てくる味噌汁がまずいと小言まで。今度来るときは熊本のちくわをもってこいだってさ。食いもんの話ばっかりだな。

やはり人間は食事である。うまい食い物を食べたいと思わなくなったらダメである。