ラジオ番組やりたいけど無理かな。

  • うちの寺のラジオ番組を作りたいなと

 いちおう寺の仕事もちょくちょく取り掛かっているのだが、たとえばより開かれたお寺を目指そうとするならば、コンサートをやったり講演会をやったりということになるのかもしれん。たしかに今そういうことをやっているお寺がたくさんありますわ。まぁそれはそれでよい。

 で、ちょっと寺の広報活動をしたり、仏教のお話をしたりというようなことをやろうとするときに、いま一番手軽で可能性にあふれているのはmixiやブログといったウェブということになるでしょ。インターネットラジオポッドキャストというのもある。

 しかしウェブの問題点はケータイやパソコンをそれなりに使いこなすひとでないとアクセスできないということ。寺の主要な「顧客層」は高齢者である(これはこれで問題だがいまのとこ仕方がない)。高齢者はなかなかパソコンやケータイを使いこなせないし、そもそも日常的に使っているとはいいがたい。

 そこで、私は以前からラジオとかどうだろうと、半ば真剣半ば冗談で妄想していた。さしあたり自分が好きな曲をかけてそれなりにしゃべる番組があったらまぁそれはそれでいいのではないかと。ラジオ好きだし。
 幸いわが町にはコミュニティラジオというものが存在している。地域的には半径5キロほどがカバーできれば充分だし、夕方になると安藤さんの隣に座っている木村太郎先生が夕方までの時間で作った(とおぼしき)「サイマルラジオ」というシステムのおかげで、コミュニティラジオでもパソコンから(つまり世界中で)聴けるようになっている。すばらっしい。
 そして、大小問わず全国のラジオ局はいま広告の激減でたいへん苦しい。ならばチャンスはないわけではないだろうと。


  • でも無理っぽいのだどうやら。

 ラジオは宗教と比較的親密なメディアである。よく早朝に「宗教の時間」みたいな番組があった。いまもある。私も受験のとき早起きして勉強しながら聴いていた記憶がある。

 私が一番すきなのはTBSラジオ「あなたへモーニングコール」である。あの「歌うヘッドライト」の後継番組である。
「あなたへ〜」は創価学会単独の提供なのだが、先日など「日本のテクノポップ特集」と銘打ってヒカシューやプラスティックスを流していた、とっても野性味あふれる番組である。しかし、天下の学会であっても番組内で学会の宣伝をバンバンやったりはできない。「学会提供の番組」ではあってもけっして「学会の番組」ではないのだ。

 アメリカや韓国にはキリスト教専門チャンネルがあってケーブルテレビに加入すれば視聴できるが、日本には宗教専門チャンネルがない。これは放送法に「公のものであるテレビ・ラジオは特定の宗教に組してはならない」という決まりがあるからである。さらに日本の宗教番組では「宗教の時間」とかチョー抽象的なタイトルがつけられていて、内容も聖書や仏典の朗読とかに限られがちである。「うちの教えはサイコーだから入信しましょう」というストレートなメッセージはダメなのである。



 だから、私が仮にコミュニティラジオで番組を持っても「今度うちの寺で講演会やるから来てね」とか「お墓売出し中」とか云えないのは当然、「坐禅はこういうふうにやります」とか「うちの宗派ではこういうお葬式をやります」とかいったら、けっこう問題になりそうな勢いなのである。




これはちょっと困る。しゃべることがなくなる。




 ラジオで何を言ってよくて何を言っちゃダメかということについては、一般の人にも番組の制作・放送を開放するというとっても先進的なことをやっている京都三条ラジオカフェのサイトを参考にしてみる。『番組内での「お知らせ」、コマーシャルについて』というリンクがある。


京都三条ラジオカフェ
http://radiocafe.jp/b_seisaku/b_ryoukin.html


 結論から言うと、番組の「内容」と「広告」は厳密に区分されなければならないということらしい。で、広告には広告料が発生する。お金を払うんならいくらでもCM打たせてあげるけど、番組の内容は好き勝手できませんと。番組内で商品紹介とか告知なんていくらでもやっているように思うのだが、あれもちゃんと「ここかは通販のコーナーです」とか「では最後に告知です」みたいな感じで区切られているし、フリートークのなかでも商品名や勧誘は云ってはならないという。

 宗教は商品ではないよ、ね?? 【数々の悪行を反省しつつ自分に確認中】別に宗教について熱く語ろうという気はないのだが、現状ではマスメディアで「フツーに」宗教を語ることって、実は予想以上にめんどくさい事情が満載のようなのである。



 ということで、ポッドキャストがいまんとこの第一候補。